昨年の秋、第15回釜山国際映画祭で、クロージング上映され公開が待ち望まれた「カメリア」が、10月22日(土)より、日本での上映されることとなり、女優の吉高由里子と韓国俳優のソル・ギョングと行定勲監督が、舞台挨拶に登場しました。
オムニバス映画『カメリア』は、時空を超えて愛を求めた男たちの切ない愛の物語。素性を知りながら愛する人を待ち続けたスパイ、淋しげな見知らぬ少女にほのかな恋心を抱くカメラマン、引き裂かれた愛を取り戻そうとする青年。過去、現在、未来と時を隔てた三者三様の愛が釜山を舞台に錯綜する。(吉高由里子、ソル・ギョングは「Kamome」の出演。)
久しぶりの吉高由里子は、「ソル・ギョングさんです。とても素敵な方です。」と来日したソル・ギョングを紹介し、「久しぶりに会えて嬉しいです。今夜は一緒に食事に行きます。」と体をクネクネさせてコメントした。
MC:「Kamome」に出演を決めたきっかけは?
ソル・ギョング:行定監督と一緒に仕事ができるので、すぐに出演を決めました。
MC:行定監督が、ソル・ギョングさんの出演を熱望していたと伺いましたが?
行定:韓国映画の中でも好きなのは「オアシス」で、気迫ある芝居をスクリーンで見させていただいて、自分の映画にソル・ギョングさんがいるとは今でも信じられないのです。脚本を書いているときに、脚本家が「力道山」の現場でソル・ギョングさんに会ったことがあり、握手をしてもらった時に手が大きくて暖かかったそうです。韓国の人が手が暖かくて大きかったというシナリオがあり、どういうことなの?と脚本家に聞いたら、ソル・ギョングさんに会ったときに手が暖かかったと言ってたので、ダメもとで伝手を使って、ソル・ギョングさんを紹介してもらえないかということで実現しました。
MC:一緒に作品作りをして、監督が改めて感じるソル・ギョングさんの人間的魅力は?
行定:僕はソル・ギョングさんと同じ年なのです。同じ年なのに同じ年に思えない、兄貴的なオーラを出している。一見無骨なのに繊細な解釈をする。韓国の映画がスピードが早い、僕の場合ゆったりとこの二人が韓国の街を歩いていく、情緒を大切にしたいと思っていたところに、ソル・ギョングさんはシナリオに日本の情緒があると言うので、そういう部分も僕も背筋を伸ばされる思いでした。
MC:初共演での印象は?
ソル・ギョング:初印象は子供かと思い、中学生かと思いました。あどけない印象があったのですが、モニターを見ると成熟した女性が描かれてた。撮影した期間は短く、彼女は現場をかき回すようにして、皆の心を掴んで最後の別れの日は、全員のスタッフが別れを惜しくて泣いたのです。彼女の足跡が大きかったことを話し合った。掃除機のように吸引力を持った女優さんの印象です。
吉高:初めて韓国に行ったのですが、ソル・ギョングさんは撮影が始まっていて、空間があったのですが、役の人なのかソル・ギョングさんの性格なのかがわからないくらいに、ナチュラルに役のままでいる方なので尊敬しました。
MC:撮影中のコミュニケーションは?
ソル・ギョング:日本語で話してました。冗談です。(笑いを沸かせる場面も)自然とコミュニケーションがとれました。
吉高:栓抜きがなくてもギョングさんはスプーンで開けるので、栓抜きがなくても開けられるようになりました。空き時間に食べようと思っていたカップラーメンとお菓子があったのですが、戻ってきたら開いていて「韓国では独り占めせず、全員に配る」と教えられた。カップラーメンをお湯を入れずに食べる人は初めて見ました。
MC:共演してどんなところが素敵ですか?
ソル・ギョング:全て良かったですし、撮影中も楽しく過ごせました。
吉高:近くにいたら安心できるくらい信頼しています。
MC:お二人の作品を見ての印象は?
ソル・ギョング:「Kamome」はラブストリーですが、映画の世界も語られています。失われていくものに対しての名残惜しさなど感情が込められています。「カメリア」は個性ある監督の3本の作品が一緒に見られる鑑賞の仕方で楽しんでいただけます。
吉高:風みたいな作品で、何かをつかもうとするがつかめない。今が過去になる淋しさを感じる作品です。
行定:短い作品ですが、釜山映画祭に参加することによって、映画というものを考え直すことができた。大きなつながりができた二人です。
MC:最後にソル・ギョングさんからメッセージをどうぞ
ソル・ギョング:皆さん映画を楽しんで見て下さい。良かったら周囲の皆さんに紹介してくださいねとコメントした。
10月22日(土)ロードショー!
監督:ウィシット・サーサナティアン、行定勲、チャン・ジュナン
キャスト:ミシェル・シャオワナサイ、キム・ミンジュン、ソル・ギョング、吉高由里子、カン・ドンウォン、ソン・ヘギョ
カメリア公式サイト http://www.camellia-movie.net/index.html