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2012年3月17日(土)、東京・日本橋三井ホール。宮沢和史の弾き語りによるコンサートツアー“寄り道四十七次~花鳥風月~”が初日を迎えた。ツアー・タイトルに“四十七次”とあるように、今年の“寄り道”は全国四十七都道府県での公演を目指しているという。そのスタートが“日本の道路網の始点”である日本橋から、ということにも粋な計らいを感じた。
「7年間、弾き語りのツアーをやってきましたが、震災後の全国を周りたい、この目で今の日本列島を見てみたいという想いがあり、今年は全県を周る覚悟で気合いを入れてやります」と宮沢も語っているように、今年の“寄り道”は、これまでとは違う要素が盛り込まれていくらしい。サブタイトルの“花鳥風月”とは、従来通りの宮沢1人による弾き語りの日をはじめとして、ピアニストと2人による公演、ゲストを迎えての公演、さらにはピアノとストリングスを加えての公演など、その日その日によって、“花・鳥・風・月”という異なった4つのパターンでコンサートツアーを行なっていくことを表しているという。
THE BOOMとして昨年11月に、“日本”をテーマの真ん中に据えた最新アルバム『よっちゃばれ』を発表しているが、「今年の“寄り道”では全国を周る中で、『よっちゃばれ』の次にある風景を追い求めていきたい」とも語っている宮沢。果たして、その新たな“寄り道”とは…。
会場の東京・日本橋三井ホールは、生憎の雨模様にも関わらず、ツアーの初日を待ちわびたファンで埋め尽くされた。17時過ぎに、いよいよ開演。“寄り道”独特の緊張感に満ちた空気もまた久々で心地良い。THE BOOMの最新曲から、ソロの曲、また日本の名曲のカバーから沖縄民謡まで、ジャンルやカテゴリーに捉われない宮沢らしい選曲でコンサートが進んでいく。この日は“風”公演だったため、曲によってピアニストの鶴来正基、そして飛び入りゲストとして、バンドGANGA ZUMBAの盟友・宮川剛もパーカッションで参加(翌18日には、THE BOOMから栃木孝夫が参加)。トリオでの演奏とは思えないほどスリリングで、濃密なアンサンブルには舌を巻いた。その他にも、事前に録音された、仲井戸“CHABO”麗市、ピアニスト塩谷哲、GANGA ZUMBAのメンバーらの演奏に合わせて宮沢が弾き語りを行なうという新しいスタイル(宮沢曰く、音の道れ合いなので“音連れ”)も披露されたのだが、とても斬新で、存分に楽しめるものだった。
宮沢の日本全国四十七次を周るコンサートツアー“寄り道”は、まさに始まったばかり。彼が近くの町を訪れた際には是非とも会場を訪れて欲しい。宮沢和史の豊潤な音楽の世界を、たっぷりと堪能できるに違いない。筆者も今回の“風”公演とは違う、他の3パターンの公演も全て観てみたいと思う。
宮沢和史オフィシャルホームページ→http://www.five-d.co.jp/miyazawa/