3日(日)、東京・明治座で、藤山直美と三田佳子のW主演 明治座2月公演『かたき同志』の初日を迎え、公演後「福を豆と一緒に皆様へお返ししたいと思います」と三田が挨拶し、節分の福まめがまかれ、観客も福まめを求めていた。橋田壽賀子脚本、石井ふく子演出による『かたき同志』。大川(現・隅田川)をはさんで両岸の江戸の町に暮らしていた二組の親子の話。
(写真提供:明治座)
一方の町はその日暮らしの人達が多く住む町に暮らしていた、飲み屋ひさご亭の女将・かめ(藤山)は、ひとり息子の清太郎(金子)が自慢だった。蘭学に通い、いずれは医者になり母親を楽させてやろうといっている清太郎に全てを賭けて、仕事に精を出す日々。もう方の町は大商人が多く住む富裕層の町に、呉服問屋越後屋のお鶴(三田)は、ひとり娘のお袖(小林)に旗本三男坊を婿に迎えたいと願っていた。しかし、お袖には全くその気がないことを知り、問い詰めた結果、ひさご亭のひとり息子清太郎に思いを寄せていること知る。そして、ひさご亭に乗り込むお鶴、息子の勝手さに頭に血が上っているかめ、元々生活の違いから反発しあう土地者同士の上、互いのかわいい息子と娘の問題があい重なり、真っ向から喧嘩になってしまう・・・。現代にも通じる話が盛り込まれた人情喜劇。
(写真提供:明治座)
二十年ぶりの共演となる藤山と三田。昨年の製作発表会見では、演出の石井は「お二人(藤山・三田)は凄い重労働で覚悟していただきたいと思います。私も走り回りながら演出をさせていただきたいと思います」といっていたとおり、息子と娘の問題でかけ合うシーン、口移しでお酒を飲ませるなど迫力ある熱演をみせた。
清太郎とお袖の二人の仲は・・・。ひと息子と娘を思う二人の母親は・・・。藤山と三田が酔っ払い歌い踊る場面は、本当にお酒を飲んで酔っているかのように滑稽で笑いを誘った。製作発表会見で三田がにおわせていた長台詞も見事な掛け合いだった。藤山が歌い踊れば、会場からは手拍子と笑いで一体となった瞬間。観劇された観客には笑いと笑顔がみえた瞬間でもあった。
(写真提供:明治座)
終演後は、節分ということもあり、福まめまきを行い、観客は福まめを求める姿がみられた。年女の三田は「福をお返しできるように」、藤山は「この初日にくそ寒い中、おいでくださってありがとうございます。感謝いたします。喜んで頂けるお芝居をできるよう舞台に立たせていただきます」と藤山らしく挨拶し、最後に三田は「千秋楽まで体調を整えていきたいと思います」と意気込みを語った。
(取材:野地 理絵)
『かたき同志』
公演日:2月3日(日)~28日(木)
キャスト
藤山直美 三田佳子
小林綾子 金子貴俊 橋爪淳 沢田雅美 他
スタッフ
作 :橋田壽賀子
演出:石井ふく子
チケット料金:A席(1、2階席) 12,000円 B席(3階席) 5,000円
12日(火)・14日(木)・27日(水)の夜の部18:30の部はA席10,000円でご観劇いただけます。
15名様以上のグループ観劇予約受付中
お申し込み、お問い合せは明治座営業部まで
03-3660-3941(10:00~17:00)
明治座チケットセンター
電話 03-3666-6666 <オペレータ対応・10:00~17:00>
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