1997年、シアタートップスで初演された「悪霊~下女の恋~」は当時、「ファンキー」で岸田國士戯曲賞を取ったばかりの新進気鋭の劇作家であり、大人計画主宰の松尾スズキと、劇団東京乾電池の看板女優であった広岡由里子が出会った舞台です。男女4人によるこの作品は評判となり、連日通路まで観客でいっぱいとなる、まさに衝撃的話題作として注目されました。
初演のキャストは、作演出も兼ねた松尾スズキ、広岡由里子の他、池田成志、池津祥子の4人。その後、
2001年に宮藤官九郎、大浦龍宇一、小島聖、広岡由里子で再演し、今回は再演から12年ぶり、初演からは実に16年ぶりの再演となります。キメ役の広岡由里子以外のキャストを一新、タケヒコ役には、ナイロン
100℃の看板俳優で、実力派の三宅弘城、ナミエ役には大人計画の看板女優・平岩紙、ハチマン役は、新進の若手俳優・賀来賢人が決定しました。
時を経ても古さを感じさせない感性と、普遍性を保った愛憎劇。4人の男女の掛け合い漫才のような会話の一方で、松尾がこの作品の中で初めて描いた‘母性’-良質な種=遺伝子を残そうとする、きれいごとではすまされない‘母性’の切なさ、残酷さが圧倒的な力で迫ってくる傑作戯曲が、2013年の現代に蘇ります。
三宅弘城
賀来賢人
平岩 紙
広岡由里子
■公演名:「悪霊~下女の恋~」
■作・演出:松尾スズキ ■出演:三宅弘城、賀来賢人、平岩紙、広岡由里子
■東京公演:8月~9月@本多劇場
■大阪公演:9月@シアタードラマシティ他、地方公演あり
■チケット前売り開始:6月下旬予定
■主催・製作:(株)森崎事務所 M&Oplays ■お問い合わせ:森崎事務所 03-5475-3436
<あらすじ>
関西にある架空の都市。ウネハラ家の息子・タケヒコは、学生時代からの友人・ハチマンとお笑いコンビを組んでいる。売れない芸人であった二人に、ようやくTV出演というビッグな仕事が転がりこんできた頃、母・キメとの二人暮らしであったウネハラ家に、タケヒコの婚約者・ナミエが訪れる。これから全てが順調にいくはずだったウネハラ家だったが、突然の彼女の出現により、母と子・友人との間に微妙なズレが生じ、やがてその予兆は不幸な事故となって4人に襲いかかることに……