31日(土)、映画『夏の終り』が公開初日を迎え、メインキャスト&監督による舞台挨拶が行われた。
瀬戸内寂聴のロングセラー小説を発売から50周年の節目の年に映画化した『夏の終り』が公開初日を迎えた。初日舞台挨拶に出演者および監督が登壇し、それぞれの役や作品への想い、撮影時の思い出を語った。
MC:初日を迎えたお気持ちはいかがですか?
満島:観て頂くのが恥ずかしいくらい、新人の様な気持ちで演じていた作品なのですが、皆さんに気に入って頂けたら嬉しいです。
MC:型染めのお着物が素敵ですね。
満島:はい、奮発してみました!着物の方がスペシャルな感じがするし、この作品ではたくさん着物を着せていただいたので。
綾野:僕も負けじとスペシャルな衣装で来ました(笑)。この作品はディープなんですが、朝から皆さん大丈夫ですか?と言いつつ監督が上手に整頓して下さって、時代の雰囲気を楽しんで頂ける作品になっていると思います。
小林:僕も今日の衣装について一言。実は二日前買いに行ったんだけど、もう夏物が売っていなくて。しょうがないんですがネルシャツにしました(笑)。今日は天気も良くて素晴らしい初日になったと思います。
MC:本日は8月31日、タイトル通り「夏の終り」ですが、夏の印象的な思い出は?
満島:沖縄の夏は早くて、5月にはもう夏を迎えますが、よくゴールデンウィークに沖縄の離島に、友達の家族の子どもたち8人くらいで遊びに行きました。森の中にすべり台があって遊んだり、3メートルくらいの高さから川にダイブしたり。自然の中で育ったのでそういう思い出が強いです。
綾野:夏はあまり好きではないんですが、この映画の完成披露舞台挨拶の時に浴衣を着せてもらって。終わってからもしばらく着たままウロウロしていたら夏を満喫した気分になりました。
小林:以前冬が舞台の映画を夏に撮影したらヒットすると言われて出演した事があったんですが、全然ヒットしなくて。少し前まで日本一暑い場所だった埼玉の熊谷で撮影したんですが、汗をかかない様にするのが大変だった思い出があります。
監督:そういう意味では『夏の終り』の撮影も、一年前の初夏だったんですが、冬の雪のシーンもあったので役者の皆さんは大変だったと思います。
役柄にぴったりの着物でしっとりした雰囲気の満島さん。西陣織のスーツでキメた綾野さん。自ら選んだネルシャツで登場の小林さん。厳しい残暑となった夏の終りに、初秋を思わせる衣装で登場したみなさんに、満席の場内からは思わずため息が漏れた。
©2012年映画『夏の終り』製作委員会
【STORY】
妻子ある年上の作家・慎吾と、長年一緒に暮らしている知子。慎吾は妻のいる家と知子の家を週にきっちり半々、行ったりきたりしている。妻と別れて欲しいと考えたこともなく、知子はこの平穏な生活に、自分が満足していると思っていた。しかしある日、木下涼太が訪ねてきて、知子の生活は微妙に狂い始める。涼太は、昔、知子が結婚していた頃、どうしようもなく恋に落ち、夫と子供を捨て駆け落ちをした男だった。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太と再び関係を持ってしまう。そして涼太の知子を求める情熱はやがて、知子が心の底に仕舞い込み、自分自身も気づいていなかった本当の気持ちを揺さぶり起こしていく。
出演:満島ひかり 綾野剛 / 小林薫
監督:熊切和嘉 脚本:宇治田隆史 原作:瀬戸内寂聴「夏の終り」(新潮文庫刊)
2012年/日本/アメリカンビスタ/114分 ©2012年映画『夏の終り』製作委員会
配給:クロックワークス