3月1日(土)公開、松山ケンイチ主演映画『家路』の初日舞台挨拶が初回上映後に行われた。舞台挨拶には主演の松山ケンイチ、田中裕子、安藤サクラ、内野聖陽、久保田直監督らが登壇し、作品を鑑賞し終えた観客に向けて撮影秘話や映画に込める熱い想いなどを語った。
本作が2年ぶりの主演映画となる松山ケンイチは「映画は自分にとってホーム。時代劇でもリメイクでもない、”今”をテーマにしている映画には絶対に出たいという気持ちがあった。思い入れのある作品で無事初日を迎えられて幸せです。」笑顔で答えた。
共演の田中裕子は「撮影をさせていただいた福島に、感謝の気持ちでいっぱいです」安藤サクラ「何もかもを忘れてしまうくらい、撮影中地元の方と触れ合ったことが楽しかった」と福島県で撮影したあたたかい思い出を語った。
次郎(松山ケンイチ)の兄を演じた内野聖陽も「みなさんの心にどうこの作品が届いたのか気になります。この映画で感じたことを持ち帰ってもらえたら嬉しい」と語った。
撮影後、久しぶりに家族の役を演じた出演者が一同に介し、終始笑顔の絶えない明るい初日舞台挨拶となった。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=610x10000:format=jpg/path/sb95903f1de72868a/image/i292f8de48aa9f301/version/1393662476/image.jpg)
『家路』製作委員会
MC:まずひとことお願い致します。
松山:本日はいろんな年齢の方に越しいただき、多くの方に観ていただける映画なのだと感じました。今この瞬間に自分が生きているので、今を扱ったこの映画に出会えたことに感謝したいです。撮影中に出会った福島の方々とも素敵な出会いがたくさんありました。農業指導の秋元さんには、撮影の休憩中にご飯を作っていたり、和気あいあいとした撮影風景でした。そうした雰囲気がこの映画にも反映されていると思います。
田中:脚本を読み、この作品に参加させていただきたいと思いました。今思うのは、福島県への感謝です。息をするのもつらいことがあるかもしれないけれどもそうしたなか生活する福島の方たちに力を分けてもらい完成した作品です。全ての方に感謝したいです。
安藤:仮設住宅の撮影の際は、お菓子をくれたりお茶を出してくださったり、地元の方には本当に良くして頂きました。本日は福島でも舞台挨拶されるとのことですが、福島に作品を届けられることがとてもうれしいです。
内野:みなさんにこの作品がどう届いたか、どう届くのが気になります。単なるハッピーエンドではないですが見る方が何かしら考えて持ち帰ってくれればうれしいです。
監督:初監督作品で、この素晴らしいキャストで映画を作れたことがうれしいです。企画から完成まで何度も挫折しかけましたが、どうしても撮影は福島県で、という気持ちがありました。何度か福島に通う中で、圧倒的な自然や人々の温かさに触れ撮影地はここで!と決めました。これからこの映画がどう育っていくのか楽しみです。
MC:撮影中の秘話はありますでしょうか。
松山:内野さんとけんかするシーンですが、内野さんは体格がよくてストイックな方なので(笑)ちょっとコワいなと思っていましたが、身構えていたら服が上がっておなかが見えてしまいました!とてもたのしい現場でした。役者さんたちと新しい感覚を育てていくようで本当に面白かったです。また、田植えのシーンで母親役の田中さんと練習しているときに、足が泥にはまってしまってどう手をとったらいいだろうか、と考える時間もとても大切に感じました。そうした撮影中に得られたものは映画から感じてもらえると思います。
MC:最後に一言お願い致します。
監督:ご覧になった方でいい映画だな、と思った方がいらっしゃれば是非、進めていただければと思います。
田中:映画をたくさんの方に観ていただくのは難しいというとことがありますが。この作品は一人でも多くの方にみていただきたいです。
安藤:やっとイベントが終わる頃に家族な感覚が戻ってきました!(笑)内野さんとの撮影話はもう少し話したかったです。
内野:この作品は、福島の方たちの協力なくしてはできなかった作品です。でも、この作品は世界中に通用する話だと思います。是非、周りの方を誘って見に来てください。
松山 :家族と故郷をテーマにした、ものすごく前向きな作品になっています。観てくださった方にも届くと思います。
“故郷”― それは、自分が生まれた場所。かけがえのない家族がいた場所。そこが無人になった時、故郷を捨てた弟が帰ってきた。ある思いを胸に。震災の影響によって、故郷が“帰れない場所”になってしまった。先祖代々受け継いできた土地を失い、鬱々と過ごす兄、胸の奥に諦めと深い悲しみを抱えた母。生きてきた土地を離れ、先の見えない日々を過ごす彼らの元へ、20年近く前に故郷を出たまま、音信不通だった弟が突然帰郷した。たった一人で苗を育て、今はもう誰もいなくなってしまった田圃に苗を植える弟。過去の葛藤を抱えながらも、故郷で生きることを決めた弟が、バラバラになってしまった家族の心を結びつけていく。
出演:松山ケンイチ、田中裕子、安藤サクラ / 内野聖陽
監督:久保田直 脚本:青木研次 企画協力:是枝裕和、諏訪敦彦
主題歌:Salyu「アイニユケル」(作詞・作曲・編曲:小林武史/TOY’S FACTORY) 音楽:加古隆
製作:『家路』製作委員会 企画・制作プロダクション:ソリッドジャム
配給:ビターズ・エンド 助成:文化庁文化芸術振興費補助金 WOWOW FILMS