2016年2月29日(月)~3月6日(日)まで、大阪・梅田芸術劇 場シアター・ドラマシティにて、3月10日(木)~27日(日)まで、東京・ Bunkamura シアターコクーンにて、 「ETERNAL CHIKAMATSU 近松門左衛門『心中天網島』より」を 上演することが決定。
本公演は、遊女小春、治兵衛、その妻おさんの三角関係を見事に描 いた近松の代表作『心中天網島』をベースに、究極の愛を描いた作品。 『日陰者に照る月』でウエストエンド演劇賞を受賞、その後、様々な作品 でトニー賞を受賞・ノミネートし続け、世界の演劇界に衝撃を与え続けて いる演出家・デヴィッド・ルヴォーのオリジナルアイデアに基づき、作家・ 谷 賢一が書き下ろす最新戯曲。
主演は、なんと今回が初共演となる、日本を代表する女優の一人深津絵里とこれからの歌舞伎界を担う中村七之助が務め、共演には映画・ドラマで特別な存在感を放つ伊藤歩、実力・人気ともに日本でオンリーワンの演劇集団TEAM NACSの音尾琢真、柔剛自在な演技力とその個性がひかる中嶋しゅう、さらにNHK連続テレビ小説『花子とアン』で一躍有名となった中島歩など、錚々たる俳優陣が顔をそろえました。2016年待望の新作戯曲「ETERNAL CHIKAMATSU」に、ご期待ください。
「現代の日本で、イプセンやチェーホフといった19世紀ヨーロッパの作品を上演するとは、どういうことなのか。'88年の初来日以来、古典と現代との関係は、私の中で最大級のテーマとして、存在し続けています。特に日本にいるとこの問題をヴィヴィッドに感じるのは、三島由紀夫に出会ったことと、歌舞伎という、歴史を背負った伝統演劇を観たことが、大きく影響している気がします。
三島は、1945年、時代のひとつの扉が激しい音をたてて閉まった後も、扉の向こうの過去の声を聞くことができた人。それを現代の私たちにどう伝えるかを作品にした作家で、つねに、過去と分断されたことへの怒りを抱えていました。一方、私が日本で出会い、友人となった中村勘三郎さんは、歌舞伎の魅力を現代人に伝えるための情熱と、果敢に挑戦を続ける行動力に溢れた、敬愛すべき歌舞伎俳優。私たちは、一緒に歌舞伎に取り組む約束をし、近松の世界を取り上げることで、話を進めていました。
今回の作品は、そのプロジェクトの延長線上にあるものです。私が三島にいつも突きつけられてきた「過去の声を今どう聞くか」というテーマを、勘三郎さんのアイディアとエネルギーに支えられ、深津絵里さんと中村七之助さんに託すことで、より明確化するときが訪れたのだと思っています。」
演出家 デヴィッド・ルヴォー
《ストーリー》
ほんのちょっと15分だけの恋のはずだった。妻子持ち・現在失業中ながら風俗店に通い詰めるダメ男・ジロウはそこで働く売春婦・ハルにゾッコン惚れ込み、命掛けの恋に落ちる。周囲の静止も振り切って恋に溺れるジロウだったが、突如として態度を変えたハルに捨てられ、自暴自棄に陥ってしまう。その真意を隠したまま街をさまよっていたハルは、かつての遊女の涙で溺れたという蜆川(曽根崎川)のあった場所で、意外な人物と遭遇し、古い古い恋の物語に惹き込まれていく。
「ETERNAL CHIKAMATSU」近松門左衛門『心中天網島』より
■公演日程
[大阪]2016年2月29日(月)~3月6日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(全9回)
[東京]2016年3月10日(木)~3月27日(日)Bunkamuraシアターコクーン(全21回)
■一般発売 12月12日
■出演
深津絵里、中村七之助/伊藤歩/中島歩 入野自由、矢崎広、澤村國久、山岡弘征、朝山知彦、
宮菜穂子、森川由樹 /中嶋しゅう/音尾琢真 ほか
■スタッフ [作]谷 賢一 [演出]デヴィッド・ルヴォー
<企画・制作・主催> 梅田芸術劇場
[大阪主催] 関西テレビ放送、アミューズ、ぴあ
[東京主催] フジテレビジョン、アミューズ、ぴあ [協力]松竹
<キャストコメント>
【深津絵里】 七之助さんとご一緒できて大変光栄です。この不思議なご縁を大事にしたいです。また、お稽古から贅沢な時間となりそうで、いまからとても楽しみです。
【中村七之助】 深津さんはすてきな方ですばらしい大先輩。僕は現代劇で女性の方とのお芝居も初めてなので、新人のつもりで取り組みたいです。そして、有言実行の人だった父(勘三郎)の夢が、このような形で実現し、この上なくうれしいです。きっと父も喜んでくれていると思います。